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ブライダル豆知識:第2話:ウエディングドレスはなぜ白い
ブライダルまめ知識純白のドレスが広まるきっかけは、19世紀(1840年頃)。
イギリスのヴィクトリア女王が流行を取り入れた白のウエディングドレスで挙式したと言われています。
ヴィクトリア女王の婚礼衣装はシルクサテンの白いドレスにオレンジの花冠でした。
それまでの婚礼衣装とは全く違う印象で質素に見え、世間を驚かせたそうです。
宝飾品はダイヤのノネックレスとイヤリング、サファイヤのブローチのみで父親が権力を誇示する必要がなかった、そして国民の税金を無駄遣いしないという意思表示だったとも言われています。
ヴィクトリア女王が白いドレスを選んだ理由は諸説ありますが、当時傾きかけた英国経済を立て直す政策として、レース産業の復興が挙げられていました。
「白」はレースを美しく見せる色であるため、漂白技術も発展していました。
ヴィクトリア女王自らそれを身にまとうことで、イギリスのレース技術・漂白技術をアピールしたと言われています。
「女王はそれまでの銀糸で刺繍した重々しいドレスとベルベットのマントという王室の伝統に従わず、オレンジの花を飾った白サテンのドレスに身を包み、髪にはオレンジの花輪とホニトンレース(イギリス、デボンシャ-州のホニトンで主に生産されるボビンレ-スのこと)のベールを被った」と新聞や雑誌は大々的にとりあげたと言われています。
政略結婚があたりまえの時代に、ヴィクトリア女王とアルバート王子のように政略結婚を超え、仲の良い夫婦になった2人に対するあこがれと、ファッションに敏感な富裕層の花嫁たちによって白いドレスはすぐに取り入られました。
「白」の持つ純潔のイメージは、多くの人に支持されましたが、当時の白のドレスはとても高価なもので、上流階級の「豊かさ」を象徴するものでもありました。
つまり、高貴な「白は」花嫁の夢と憧れを身にまとうということなのです。
ヴィクトリア女王の結婚後、彼女が着たウエディングドレスはミドルクラスの女性たちの憧れとなると共に、白いドレスとベ-ルはステイタスシンボルにもなりました。
でも、いくら彼女たちが女王と全く同じ物を欲しがっても高価すぎて手が出せないというのが実状だったようです。
機械化が進むと中流階級の間でも憧れの白いウェディングドレスが広まります。
産業革命以来、機械化の波はレース産業にも及び、手の届かなかった高価なレースも大量生産され 、中流階級者にも幅広く溶け込んで行くようになりました。
生活水準の向上に伴い、中流階級者にも上流階級者風のドレスの着用が可能になったのです。
少少女時代の純粋さ、無垢、そして、「結婚する相手として選ばれた人にだけ与える穢れ無き心の象徴として白いウェディングドレスは広まったとされています。
そして、もう一つ、「白」はイエス・キリストの「清らかさ」と「正義」を表すものと言われています。
花嫁の心を満たし、美しい姿を披露するための「白」のウエディングドレス…
貴女はどんなドレスを選びますか?
これから着れる女性は夢があって良いですね。
参考:坂井妙子著『ウエディンドレスはなぜ白いのか』剄草書房 1997年